登山に関する知識

登山は危険を伴うレクリエーションです。
自分のため、家族のため正しい知識を身につけて安全な登山を楽しみましょう!

登山のマナーついて

1.ゴミ
ゴミは全て持ち帰りましょう。カップ麺のスープも例外ではありません。空のペットボトルをサイドポケットに入れたままだと、知らないうちに落としてしまいます。空になったら、ザックの中になおしましょう。

2. 離合
登山道で他の登山者と対面した時は、挨拶をかわしましょう。ここでは登りが優先です。山側で背を山側に向けて待機しましょう。ただし、こちらの人数が多く相手が1,2名で急な斜面でなければ、相手が下りであっても優先させます。リーダーの指示に従ってください。
他の登山者の道を塞ぐ形での休憩や写真撮影は慎みましょう。

3. トイレ(お花摘み、キジ打ち)
携帯トイレを持参しましょう。モンベルで売ってます。穴を掘って埋める方法もありますが、使用済みの紙は必ず持ち帰りましょう。スコップとジップロックが必要になります。

4. 山野草
とっていいのは写真だけ!国立公園や国定公園内では採ったら処罰されます。また、固有種保護のため靴底の土は洗ってから山に入りましょう。(他の山系の種子を持ち込まない)

5. ストック
自然保護のためキャップを付けて使用しましょう。但し、雪山や滑る泥地は例外です。

6. 山頂にて
山頂標識の近くでの休憩はNGです。みんなの記念撮影スポットなので、速やかに場所を空けましょう。

登山に潜む九つの危険について

1.道迷い
登山道には様々な道標や標識があります。また、樹林帯には木に巻いたテープやリボン、岩礫帯には石を積んだケルンが目印になります。濃霧の中では、この目印が見えなくなり、自分が何処にいるか分からなくなります。こういった場合は下手に動かず、霧が晴れるのを待ちましょう。その間に、自分の位置を確認しましょう。GPS機能がついた地図アプリをインストールして、作動させていると安心です。
待っている間に日が暮れることもありますので、水・食料・ヘッドライト・エマージェンシート・防寒着が必要になります。
また、単に道に迷ったときは、下らずに分かる地点まで登り返しましょう。
低山は、作業道・枝道が縦横にあり、コースを誤ることがあるので注意が必要です。

2. 転倒・転落・滑落
転倒防止には、足腰を鍛えて、つまずかない体力を維持しましょう。危険な場所では、ゆっくり歩き、ロープ等の安全補助具を活用しましょう。また、バランスを保つためにストックを有効に使いましょう。特に下りでは、靴の紐を締めなおして、足が靴の中でぐらつかないようにしましょう。

3. シャリバテ・熱中症
登山中は空腹感を感じなくても、常にカロリーを消費しています。カロリーを補給しないと、自動車でいうガス欠になり、あっという間に動けなくなります。これをシャリバテと呼びます。少なくとも1時間毎にゼリーやチョコレートなどで栄養補給しましょう。
熱中症は、高温多湿の中で大量の汗をかき、水分補給を怠ると体温調整が利かなくなり、痙攣や意識を失います。最悪は死に至ることがあるので、救助要請が必要です。脱水症状に陥った時点で、日陰で風通しの良いところに寝かせ、体を濡れタオルで拭いて体温を下げましょう。局部的には、脇の下や脚の付け根を集中的に冷やしましょう。水分と塩分・クエン酸(スポーツドリンクで可)を飲ませて、体の中から体温を下げましょう。

4. 落石・火山
ガレ場や岩場では落石が不規則に跳ねて襲ってきます。ボクサーがパンチを避けるように、見極めてから避けましょう。下の登山者に知らせるため「ラーク!」と大声で叫ぶのがお約束です。安全対策はヘルメット着用です。
火山ガス対応は危険地帯の表示に従ったルートを通りましょう。噴火は気象庁の「火山登山者向けの情報提供ページ」で事前情報を入手しましょう。

5. 落雷
雷を察知したら、より低く比較的乾燥している窪地に身を寄せます。逃げ場のない尾根、ガレ場、岩場では姿勢を低くして、雷雲が通り過ぎるのを待ちます。大人数の時は分散して退避行動をとり、稜線上での数珠つながりは危険です。

6. 鉄砲水・増水
雨・雨上がりの時は、川の規模によるが沢に近寄らない。水流が強い時の徒渉は大変危険です。コース変更しましょう。土石流に巻き込まれたら命は無い。

7. 毒虫
スズメバチは9~10月が攻撃的で、巣の周辺の縄張りに入ると威嚇して攻撃してきます。藪漕ぎしてでも縄張りを回避しましょう。
ヘビは岩の間や水辺に潜んでいることがあります。休憩の時は確認してから座りましょう。マムシの安全エリアは2mのディスタンスです。ヤマカガシは逃げてくれるので、刺激しないようにしましょう。
ポイズンリムーバーを携帯しているといいです。

8. 雪崩
このレベルの登山をする人は、自分で安全対策を調べて行きましょう。

9. 低体温症・凍傷
低体温症になると体が動かなくなり、救助要請になります。夏山でも汗や雨に濡れて風に晒されると、小刻みに震えがきます。この段階で、温かいものを飲み、乾いた衣服に着替えましょう。
凍傷は体表温度が低くなり、末端の手足・耳・頬などの毛細血管が収縮し、血液の循環が悪化して皮下組織が凍結する症状です。正しく防寒具を装着し、血液循環を促進する運動で予防しましょう。

登山装備について

安全な山登りをするには、山に見合った装備が必要です。必要以上の装備は荷物が重たくなり、登るのが苦痛になりますので、正しい装備の知識をもちましょう。
また、服装は重ね着で体温調整ができるようにしましょう。低体温症をおこすと体が動かず大変危険な状態になります。最悪は救助を要請し膨大な費用が発生することになります。
必要とする装備は次のとおりです。

登山靴・・・捻挫防止のためハイカットをおすすめします。また、渡渉(沢を渡る)があるコースでは、防水性が高く靴底がしっかりしたもの。
靴下・・・登山用の厚手のもの。
雨具・・・通気性のある素材で、上下セパレート型のもの。ポンチョやゴム製は不可
ザック・・・日帰りであれば20ℓ~25ℓで5ℓくらいは余裕をもてるもの
ザックカバー・・・防水性能のザックであれば不要だが、通常は防水ではない。濡れて重くなるとバテの原因になる
ヘッドランプ・・・必需品です。100ルーメン以上のもの。日が暮れたら身動きできません
帽子・・・キャップかハット。全天候型もあるが値段が高い。
手袋・・・手指の保護なので軍手でも可。冬場は凍傷の原因になるので、メリノウール製+防水型オーバーグローブの組み合わせをおすすめします。
下着(ベースレイヤー)・・・速乾素材のものを着用ください。綿製は汗冷えで低体温症の原因になるため不可
中間着(ミドルレイヤー)・・・山シャツやTシャツ、ソフトシェルなど。綿製は不可
防寒着・・・フリースやライトダウンなどで、雪山などの極寒を除き行動していない時に着用します
長ズボン・・・速乾素材でストレッチ性能の高いもの。短パン、スカートの時はタイツ併用
ストック・・・下山時に膝への負担を軽くする。あれば便利
スパッツ・・・裾の汚れ防止と靴への雨の浸水を防ぐ。あれば便利
アイゼン/チェーンスパイク・・・雪山の時に使います
ピッケル・・・雪山の時に使います
ツェルト/レスキューシート・・・非常事態の時に使用。雨風から身を守る。
常備薬・・・キズ薬、虫刺され、整腸剤、持病の薬
飲料・・・体格や行動時間によるが、夏場は2ℓ以上、冬場は1ℓ以上が目安
行動食・・・軽くて高カロリーのもの(チョコレート、塩飴=夏は保管注意、ドライフルーツ、ラムネ、練乳など)
備品・・・携帯電話、モバイルバッテリー。地図、コンパス、時計、健康保険証、ビニール袋、ジップロック、
ティッシュ、日焼け止め、虫よけ、除菌シート、マスク

※地図はヤマップ(アプリ)をインストールして、山地図をダウンロードしておくと便利です。